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このページでは、自転公転式撹拌脱泡機の仕組みや、撹拌・脱泡が進む理由を分かりやすく整理しています。高粘度材料の混練が不十分になる、粉が均一に散らない、脱泡に時間がかかるといった課題を抱えている研究・製造開発の現場に向けて、基礎から実務レベルまで確認できる内容となっています。
自転公転式の撹拌脱泡機とは、容器を「自転」させながら同時に「公転」させる構造を持つ装置です。この複合運動によって材料に複雑な流動と強いせん断が生まれ、撹拌と脱泡を効率よく同時に進められます。羽根やシャフトが材料に触れないため洗浄や部品交換の負荷が小さく、異物混入のリスクも抑えられることから、高粘度材料や粉体を多く含む配合にも適した方式です。
自転公転式は、公転による遠心力と自転によるせん断力を組み合わせることで、材料内部に強い流動を生み出し、分散と脱泡を同時に進めます。さらに真空環境を併用することで、材料中に残りやすい微細気泡まで効率よく除去できます。
公転によって材料全体に遠心力が働き外周へ押し出されます。同時に自転によって容器内部に複雑な流動が生じ、強いせん断力と混合エネルギーが加わります。これらが重なることで、粉体や高粘度樹脂のような分散しにくい材料でも、短時間で均一に混合できます。
一般的なプロペラ式ミキサーでは、羽根周辺に流れが集中し、材料が動きにくい「デッドゾーン」が生じやすいという課題があります。一方、自転公転式は容器そのものを回転させる構造のため、材料が絶えず入れ替わり、ムラのない撹拌と短時間での均一分散が可能です。また羽根を使わないため洗浄の手間がなく、異物混入リスクも低減できます。
脱泡は、遠心力と真空の相乗効果によって進行します。公転で発生する遠心力が材料内部の気泡を外側へ押し出し、真空ポンプがそれらを容器外へ吸引・排出する流れです。この作用により、撹拌中に入り込んだ気泡や微細な残留気泡まで効率よく取り除け、高粘度材料でも短時間で気泡のない均質な仕上がりが得られる構造となっています。
ただし、一般的な撹拌脱泡機だとラボスケールから量産体制への移行時に、思い通りの撹拌脱泡ができないといったケースも少なくありません。しかしながら近年では、大容量の撹拌脱泡を可能にした装置も登場しています。
一般的な撹拌脱泡機は2cup仕様が主流ですが、三星工業のハイ・ローターシリーズは4cup同時処理を標準としています。最大80L(20L×4cup)の材料を一括で扱えるため、従来は複数回に分けていた分散・脱泡工程をまとめて処理でき、工程時間の短縮と作業効率の向上につながります。
ハイ・ローターシリーズは、自公転比率2:1の設計により強いせん断力を生み、これまで処理が難しかった材料でも短時間で均一な状態へ導きます。また、自転角度を15〜60°の範囲で変更できるため、材料特性に合わせた混合条件を設定しやすい構造です。
こうした機構の組み合わせによって分散力と脱泡精度が底上げされ、大量生産の現場でも均質な仕上がりを安定して得られるプロセスとなっています。
【大容量生産向け】
HR100-04A/V
合計40L(10L×4)と大容量を短時間で撹拌・脱泡することができます。大量生産が可能になることから、他の撹拌機を使っていたユーザーからの相談も非常に多い装置です。
業界:先進マテリアルカンパニー
導入装置:HR010-04A/V、HR100-04A/V
これまで研究所レベルのラボスケール設備で撹拌脱泡を行っており、商業生産へのスケールアップが大きな課題でした。顧客からは「生産量を増やせないか」「トン単位で供給できるか」といった要望が寄せられていましたが、当時は量産対応の設備・実績がなく、回答が難しい状況にありました。
さらに、対象となる材料には「空気を噛まない」「熱をかけない」という厳しい条件があり、既存設備では品質を保ったまま大量処理を行うことが難しい環境でした。
一般的な撹拌脱泡機が2cup構成であるのに対し、ハイ・ローターは4cup同時処理を標準仕様としており、処理能力は約2倍へ拡大。複数回に分けていた工程を一度で処理できるようになり、生産効率が大きく前進しました。
加えて、材料や容器仕様に合わせた運転条件(回転数・真空時間など)の調整を、三星工業の営業技術担当が伴走しながら実施。ユーザー側の要望に合わせて細かな設定を詰めていける点が高く評価されています。
また、ハイ・ローターは自社設計・開発によるカスタマイズ性を持ち、ポンプやスイッチなどの仕様変更にも柔軟に対応できる構成です。こうしたサポート体制と設計力が相まって、量産レベルでもムラの少ない安定した撹拌脱泡を実現。研究段階から製品化プロセスへの移行も滑らかに進む結果となりました。
撹拌脱泡機を使用する製造現場や研究・開発の現場では、「量産が難しい」「処理に時間がかかる」「高粘度素材がうまく混ざらない」など、さまざまな課題が生じていることと思います。
当メディアでは、そうした課題解決に貢献する三星工業の「ハイ・ローターシリーズ」の特長と価値を、より多くの方に知っていただくことを目的としています。研究・開発現場の効率化とさらなる技術発展に寄与できれば幸いです。