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優れた耐熱性や柔軟性を持つシリコーン樹脂は、電子部品のポッティングや型取りなど、幅広い産業で使用されています。しかし、シリコーン特有の「気泡が抜けにくい」という性質が、製造現場の生産性を著しく停滞させているケースは少なくありません。
数時間から一晩かけて「静置脱泡」を行っている現場も多いですが、リードタイムの短縮が求められる現代において、脱泡工程の効率化は喫緊の課題です。本記事では、シリコーン樹脂の脱泡を劇的に速めるための具体的アプローチを詳述します。
シリコーン樹脂が他の樹脂に比べて脱泡しにくい理由は、その物理的特性にあります。
シリコーン樹脂の多くは高粘度であり、液中の気泡が浮上する速度(ストークスの法則)が極めて遅くなります。さらに、シリコーンは気泡の界面が安定しているため、液面に到達しても気泡が割れにくいという特徴があります。これらが重なることで、単に置いておくだけでは気泡がいつまでも抜けず、長時間の静置を余儀なくされるのです。
まずは、設備を大きく変えずとも改善できる、物理的な工夫から見ていきましょう。
意外と見落とされがちなのが、撹拌・脱泡に使用する容器の形状です。気泡の移動距離を短くするためには、底が深く細長い容器よりも、「底が浅く開口部が広い容器」の方が脱泡において有利です。
液深を浅くすることで気泡が液面に達する時間を物理的に短縮でき、さらに真空引きの際に気泡が破裂・消失する面積を確保できるため、脱泡効率が大幅に向上します。
一気にフル真空まで減圧すると、シリコーンに含まれる気泡が急激に膨張し、容器から材料が溢れ出す「突沸」のリスクが高まります。これを防ぐために作業員が監視し、手動で圧力を調整するのは大きな工数ロスです。
真空圧力を段階的に制御(ステップ調圧)することで、液面を安定させつつ効率よく気泡を膨張・破裂させることが可能になり、監視不要の自動化・時短化が実現します。
「数時間かかる脱泡を、数分にしたい」という高い生産性を求めるなら、自転・公転ミキサーによる「遠心力+真空」の併用が効果的なソリューションです。
自転・公転ミキサーは、強力な遠心力によって高粘度な液中でも気泡を強制的に液面へと移動させます。ここに真空機能を組み合わせることで、以下の相乗効果が得られます。
シリコーン樹脂の脱泡時間を短縮することは、単なる時間の節約にとどまりません。リードタイムの短縮、仕掛品の削減、そして気泡削減による製品不良率の低減など、工場全体の生産性と競争力を高めることに直結する要素となります。
容器形状や真空制御の見直し、さらには遠心真空技術の導入を検討し、シリコーン加工における「待ち時間」を「生産時間」へと転換していきましょう。
シリコーン樹脂やシリコーンゴムは粘度が高く、撹拌後も気泡が抜けにくい場合があります。特に、放熱材などのフィラーを含む材料では、材料の分散と脱泡を同時に行うことが重要です。
ハイ・ローターシリーズは、自転・公転による撹拌と遠心力を利用した脱泡を同時に行える自公転式撹拌脱泡ミキサーです。プロペラを使わずに材料を処理するため、シリコーン樹脂やシリコーンゴムの撹拌・脱泡を材料特性に合わせて検討できます。
フィラー入りの放熱シリコーン樹脂や、粘度の高いシリコーン材料など、分散性や脱泡性が求められる材料にも対応を検討できます。
シリコーン材料の処理では、研究開発時の少量試験だけでなく、11kg程度のバッチ処理や、将来的な大容量生産を見据えた設備選定が求められる場合があります。
ハイ・ローターシリーズは、300mL程度の少量処理から、20L容器を4基搭載する大容量モデルまで、処理量に合わせた機種を展開しています。ペール缶などの使用容器や、処理量に合わせた機種選定についてもご相談いただけます。
※処理可能な容量や重量は、材料の比重・粘度・配合・使用容器によって異なります。100kgレベルの生産を検討する場合は、必要な処理量や工程を確認したうえで仕様を選定します。
撹拌脱泡機を使用する製造現場や研究・開発の現場では、「量産が難しい」「処理に時間がかかる」「高粘度素材がうまく混ざらない」など、さまざまな課題が生じていることと思います。
当メディアでは、そうした課題解決に貢献する三星工業の「ハイ・ローターシリーズ」の特長と価値を、より多くの方に知っていただくことを目的としています。研究・開発現場の効率化とさらなる技術発展に寄与できれば幸いです。