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高粘度素材では、狙い通りの品質状態に撹拌脱泡しにくい場面が多く見られます。当ページでは、高粘度素材に特有の課題を取り上げ、適した撹拌脱泡機の選び方を整理しました。あわせて、実際に課題を解決できた事例も掲載しています。
高粘度材料は流動性が低く、撹拌エネルギーが均一に伝わりにくいため、混合効率や脱泡効率が大きく左右されやすい領域です。材料特性や配合内容によって問題の現れ方が変わることもあり、量産工程では特に対策が欠かせません。以下では、高粘度材料で発生しやすい代表的な課題を整理しています。
高粘度材料は流動性が低く、撹拌エネルギーが全体に伝わりにくいため、容器内で混ざりムラや気泡残りが発生しやすい特徴があり、均一な品質を得ることが難しいケースが多いです。特にシリカやアルミナなどの粉体フィラーを多く含む配合では、せん断力が不足すると局所的なダマや気泡が残り、完全な分散・脱泡に至らないこともあります。
その結果、材料特性が不均一となり、硬化後の強度・導電性・耐熱性にばらつきが生じるリスクとなります。
高粘度の樹脂やペースト状材料は、撹拌時に発生した気泡が上昇・離脱しにくく、材料内部に閉じ込められやすい特性があり、均一な品質を得にくい要因となります。気泡が残留すると製品内部に空隙が生じ、絶縁不良や機械的強度の低下、外観不良といった問題へ直結するおそれがあります。
特に電子材料や接着剤など、微細構造や高い信頼性が求められる用途では、気泡残留が致命的な品質リスクとなるため、撹拌と脱泡を同時に行うプロセス設計が欠かせません。
高粘度材料は種類ごとに流動特性や充填材の構成が異なり、撹拌・脱泡の難しさにつながる要因も変わります。ここでは、特に扱いづらい代表的な材料を挙げ、それぞれが抱えやすい課題の傾向を整理しています。
高粘度の樹脂や接着剤はせん断力が伝わりにくく、均一な混合や分散が難しい代表的な材料です。特にエポキシ樹脂製品、絶縁用塗料、建築用接着剤、高機能接着剤、セラミック樹脂などはフィラーや添加剤を多く含み、撹拌中に粘度がさらに上昇する傾向があります。この影響で撹拌ムラやダマの発生、温度上昇による硬化進行が起こりやすく、工程全体での綿密な制御が不可欠です。
放熱グリスや絶縁グリス、ソルダーペースト、絶縁ペーストなどのペースト系材料は非常に高い粘度を持ち、撹拌時に気泡が抜けにくい性質があります。また、これらの材料は充填剤を高比率で含むため、比重差による沈降や凝集が起こりやすく、安定した分散状態を保つには強力で均一なせん断力が不可欠です。こうした特性を踏まえると、非接触の自公転式撹拌脱泡機が特に有効といえます。
セラミックコンデンサ、電極塗料、電池用電解質といった電子・電池材料は、導電性・絶縁性・反応性などの要求が厳しく、微細粒子を均一に分散させる必要があります。一方で、粒径や比重の異なる成分を多く含むため、撹拌中に分離や凝集が生じやすく、粘度の高さによって脱泡が難航する点も課題です。このため、精密な撹拌制御と真空脱泡を両立できるプロセス設計が欠かせない領域といえます。
3Dプリンター材料やダイヤモンド砥石材料、研磨剤といった先端加工・機能材料は、粒子濃度が高く粘度も極めて高いため、従来のプロペラ式では撹拌ムラや粒子凝集が発生しやすい領域です。これらの材料は最終性能に直結するため、粒子レベルで均一な分散と確実な気泡除去が不可欠となります。
高粘度素材の撹拌・脱泡は難易度が高い作業ですが、高いせん断力で理想の状態に近づけてくれる装置も登場しています。
三星工業の撹拌脱泡機「ハイ・ローターシリーズ」は、自転と公転の比率を2:1に設定した構造によって、樹脂内部まで強いせん断力を均一に与えられ、粘度の高い材料でも効率的な混合・分散が行えます。さらに、自転軸の角度を15〜60°の範囲で可変できるため、材料特性に応じた流動を形成でき、処理難度の高い配合にも柔軟に対応。
最大20L×4cupの大容量処理に加え、真空脱泡や冷却機能も備えており、温度上昇や硬化反応を抑制しながら量産スケールの品質を安定的に維持できる点も大きな特徴です。
導入装置:HR100-04A/V
組成:シリカ(粉体)+粘性材
+ワニス+溶剤
シリカの配合量が多く、撹拌後も容器底に未分散の粉が残る状況が続いていました。材料がペースト状の高粘度になるため、従来装置では十分な混練が行えず、均一な分散状態に到達しない点も大きな課題でした。また、量産化を見据える中で、より大容量の撹拌脱泡機が求められていました。
自公転比率2:1による強いせん断力が作用し、シリカ粉末を含む高粘度材料でも完全な分散が実現。従来課題となっていた未分散粉の残留が解消され、品質の安定化につながりました。
加えて、10L容器を4個同時に処理できる大容量構造により、これまでより生産量を約2倍へ拡大。分散品質と生産効率の両面で大きな改善が得られ、量産体制への移行も円滑に進みました。
撹拌脱泡機を使用する製造現場や研究・開発の現場では、「量産が難しい」「処理に時間がかかる」「高粘度素材がうまく混ざらない」など、さまざまな課題が生じていることと思います。
当メディアでは、そうした課題解決に貢献する三星工業の「ハイ・ローターシリーズ」の特長と価値を、より多くの方に知っていただくことを目的としています。研究・開発現場の効率化とさらなる技術発展に寄与できれば幸いです。