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「温度上昇」のリスクとは

撹拌工程で発生する
「温度上昇」のリスクとは

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撹拌脱泡機を用いた材料の混合・分散工程では、遠心力や強力なせん断力によって材料同士、あるいは材料と容器の間に激しい摩擦が生じます。この摩擦熱によって引き起こされる「温度上昇」は、材料の品質を左右する非常に重要なファクターです。

なぜ撹拌によって温度が上がるのか

特に自転・公転式の撹拌脱泡機では、数百Gという強い重力加速度をかけて材料を対流させます。高粘度の樹脂やペースト状の材料を強力に撹拌する際、分子間の摩擦抵抗(せん断発熱)が大きくなり、短時間の運転でも数十度単位で急激な温度上昇を引き起こす性質があります。

熱に弱い材料への悪影響

温度上昇が材料にもたらすリスクには、主に以下のようなものがあります。

  • 化学反応の促進による早期硬化(エポキシ樹脂・2液硬化型接着剤など)
  • 材料の変質・劣化(タンパク質や揮発性の高い溶媒を含む材料など)
  • 粘度低下による沈降(フィラーや蛍光体などの微粒子が沈んでしまう現象)

これらの問題を回避し、高品質なアウトプットを得るためには、撹拌時の「熱マネジメント(入熱のコントロール)」が不可欠です。

撹拌中の温度上昇を抑制・管理する4つの方法

熱に弱い材料を扱う場合、材料に加わるエネルギーを適切に管理する必要があります。ここでは、現場ですぐに実践できる温度上昇の抑制方法を解説します。

1. 回転数と運転時間の適正化

基本となる対策は、撹拌条件(レシピ)の見直しです。
自転・公転の回転数を必要最低限に抑えることで、発生する摩擦熱を物理的に低減できます。また、長時間の連続運転は熱が蓄積しやすいため、撹拌・脱泡不足にならないギリギリのラインまで運転時間を短縮する条件出しが求められます。

2. 断続運転(ステップタイマー)による入熱管理

長時間の撹拌がどうしても必要な場合、連続して回し続けるのではなく、インターバルを設ける「断続運転(ステップタイマー機能)」が有効です。
例えば、「1分間撹拌→30秒停止(自然冷却)→1分間撹拌」といった複数ステップのプログラムを組むことで、材料のピーク温度を一定以下に抑えつつ、トータルで必要な撹拌エネルギーを与えることができます。

3. 冷却機能付き容器(保冷アダプター等)の活用

ソフトウェア的な設定だけでなく、ハードウェアによる熱対策も重要です。
保冷剤をセットできる専用アダプターや、熱伝導率の高いアルミ製の放熱・保冷容器を活用することで、撹拌中に発生する熱を効率的に逃がすことが可能です。また、あらかじめ材料と容器を冷蔵庫等で冷やしておく「プレクーリング」を組み合わせることで、到達温度を効果的に下げることができます。

4. 環境温度の管理(室温の一定化)

盲点になりがちですが、撹拌脱泡機を設置している室内の温度環境も重要です。
夏場と冬場での環境温度の差は、そのまま撹拌終了時の材料温度のブレにつながります。作業室内の温度をエアコン等で常に一定に保つことは、年間を通じて安定した品質を維持するための基礎となります。

独自の熱マネジメント機能を持つ撹拌脱泡機の選び方

よりシビアな温度管理が求められるハイテク素材の現場では、撹拌脱泡機本体の機能選定も差別化の鍵となります。
最新のハイエンドモデルには、材料の温度を非接触の赤外線センサーでリアルタイム監視し、設定した上限温度に達すると自動で回転数を落としたり停止したりする機能を搭載した機種も存在します。医薬品や高度な電子材料を扱う場合は、こうした熱マネジメントに特化した装置の導入を検討すべきでしょう。

まとめ:適切な熱マネジメントで材料の品質を安定させる

撹拌脱泡機は材料を均一に処理する強力なツールですが、その副産物である「摩擦熱」には十分な対策が必要です。
「回転数・時間の適正化」「断続運転の活用」「冷却機能付き容器の導入」というアプローチを組み合わせることで、熱に弱い材料であっても変質や硬化のリスクを低減できます。
自社の材料特性に適した熱マネジメント手法を見つけ出し、歩留まりの向上と安定した品質管理を実現しましょう。

当メディアについて

撹拌脱泡機を使用する製造現場や研究・開発の現場では、「量産が難しい」「処理に時間がかかる」「高粘度素材がうまく混ざらない」など、さまざまな課題が生じていることと思います。
当メディアでは、そうした課題解決に貢献する三星工業の「ハイ・ローターシリーズ」の特長と価値を、より多くの方に知っていただくことを目的としています。研究・開発現場の効率化とさらなる技術発展に寄与できれば幸いです。