撹拌脱泡機 特集メディア:撹拌脱泡Journal

sponsored by 三星工業

撹拌脱泡機 特集メディア:撹拌脱泡Journal » 撹拌脱泡機活用コラム » 2液混合のシビアな撹拌:
計量誤差と分散不良の回避策

2液混合のシビアな撹拌:
計量誤差と分散不良の回避策

このサイトは三星工業をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

シビアな2液混合における撹拌の壁

エポキシ樹脂やシリコン樹脂など、2液硬化型の材料を扱う現場において、撹拌工程は最終製品の品質を決定づける極めて重要なプロセスです。
中でも、主剤と硬化剤の比率が「100:1」や「100:5」といった極端な混合比率となる場合、あるいは顔料や触媒などの微量添加剤を混ぜ合わせる場合、その難易度は飛躍的に上昇します。
本記事では、撹拌の専門家の視点から、シビアな混合比率がもたらす「計量誤差」と「分散不良」の原因を紐解き、それらを根本から回避するための最新の撹拌技術について詳しく解説します。

計量誤差と分散不良が引き起こす品質リスク

極端な混合比率の材料や微量の添加剤を扱う際、わずかなミスや撹拌不足が致命的な欠陥を生み出します。まずは、現場で直面しやすい2つの大きな課題について確認しましょう。

計量誤差による硬化不良と物性低下

100:1のようなシビアな比率では、硬化剤や触媒のわずかな計量ブレが、全体の反応に多大な影響を及ぼします。
たとえ高精度な電子天秤を使用して正確に計量できたとしても、容器の壁面や撹拌棒に微量の成分が付着して残ることで、実質的な「計量誤差」が発生してしまうのです。
結果として、部分的な未硬化(硬化不良)、硬度のばらつき、耐熱性や強度の低下といった致命的な物性低下を招きます。

微量添加剤(顔料・触媒)の凝集と分散不良

粘度の高い主剤に対して、ごく少量の顔料や粉体フィラー、触媒を均一に分散させるのは困難です。
微量な粉体は液中に入ると表面張力や静電気によってダマになりやすく、一度凝集してしまうと通常の撹拌では解きほぐすことが困難になります。
この分散不良は、色ムラや電気的・熱的特性のばらつきを引き起こし、製品の歩留まりを大幅に悪化させる原因となります。

従来の撹拌手法(手作業・羽根式)の限界

これらの課題に対して、従来は手作業によるスパチュラ(へら)での撹拌や、プロペラ式の撹拌機が用いられてきました。しかし、シビアな条件下では以下のような限界があります。

  • 手作業の限界:個人のスキルへの依存度が高く、再現性がありません。また、微量な添加剤を全体に行き渡らせるほどの強力なせん断力を生み出すことは不可能です。
  • 羽根式(プロペラ式)撹拌機の限界:撹拌羽根の周囲の材料は流動しますが、容器の隅や底面には「デッドスペース(撹拌されない領域)」が生まれやすくなります。また、羽根そのものに微量成分が付着し、配合比率を狂わせる原因にもなります。
  • 気泡の巻き込み:手作業・羽根式ともに、撹拌時間を長くするほど空気を巻き込み、気泡が混入するリスクが高まります。

遠心力による強制対流:均質化を実現する最新技術

上述した「計量誤差(成分の偏り)」と「分散不良」を回避するためには、羽根を使わず、材料全体に強力な流動性を与えるアプローチが必要です。
そこで現在、高度な材料開発や生産現場で主流となっているのが、「自転・公転ミキサー」に代表される、遠心力を活用した撹拌技術です。

手作業では不可能な「強力な対流」の発生

自転・公転ミキサーは、材料を入れた容器自体を一定の軌道で回転(公転)させながら、同時に容器そのものも回転(自転)させるシステムです。
この2つの回転のベクトルが組み合わさることで、容器内の材料に約400Gにも及ぶ強力な遠心力が働き、強制的な「対流」が発生します。
これにより、高粘度な主剤の中であっても、100:1のような極小量の硬化剤や微量の顔料が、容器の隅々まで短時間で巻き込まれ、ミクロレベルで均等に押し広げられます。

凝集を防ぎ、無気泡・高分散を同時に実現

この遠心撹拌技術のメリットは以下の通りです。

  • 羽根レスによる比率維持:撹拌羽根を使用しないため、羽根への材料付着による成分のロス(実質的な計量誤差)が削減できます。正確に計量した比率をそのまま保った状態で撹拌が可能です。
  • 強力なせん断力による凝集破壊:容器内の強力な対流により、材料同士が摩擦し合うことで強いせん断力が生まれ、微量な粉体添加剤のダマ(凝集)を効果的に解きほぐします。
  • 脱泡効果の並立:公転による遠心力が軽い気泡を液面へ押し出し、自転による対流がそれを巻き込むことなく外部へ排出するため、撹拌と同時に高精度な脱泡(気泡除去)が完了します。

シビアな混合比率でも安定した品質を

100:1のような極端な2液混合や、微量な添加剤の配合において、計量誤差や分散不良は製品の信頼性を大きく損なう要因となります。
手作業や従来の羽根式撹拌機で限界を感じている場合は、遠心力による強制対流を利用した撹拌手法を取り入れることで、飛躍的な品質向上と歩留まりの改善が期待できます。
材料の持つポテンシャルを最大限に引き出すために、自社の材料特性に適した撹拌プロセスの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

当メディアについて

撹拌脱泡機を使用する製造現場や研究・開発の現場では、「量産が難しい」「処理に時間がかかる」「高粘度素材がうまく混ざらない」など、さまざまな課題が生じていることと思います。
当メディアでは、そうした課題解決に貢献する三星工業の「ハイ・ローターシリーズ」の特長と価値を、より多くの方に知っていただくことを目的としています。研究・開発現場の効率化とさらなる技術発展に寄与できれば幸いです。