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高粘度材料の撹拌でダマが残る原因とは

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高粘度材料の撹拌における「ダマ」の発生メカニズム

化学、薬品、化粧品、食品などの製造現場において、高粘度材料の混合は常に困難を極めます。特に粉体と液体を混合する際、あるいは異なる樹脂同士を混ぜ合わせる際に発生する「ダマ」は、製品の均質性を損なうだけでなく、後工程のフィルター目詰まりや成形不良の直接的な原因となります。

なぜ、一般的な撹拌機ではダマを完全に消し去ることができないのでしょうか。それには高粘度材料特有の物理的性質が深く関わっています。

1. 濡れ性の不足と表面張力の影響

粉体を液体に投入した際、液体の粘度が高いと粉体の表面に素早く浸透できません。粉体の周囲に薄い空気の層が形成され、その外側を液体が包み込むことで未分散の核が残ります。これがダマの正体です。特に高粘度下では液体の表面張力と粘性抵抗が強く、外部からの単純な撹拌力だけではこの核を破壊することが困難です。

2. 局所的なせん断力の不足

羽根付きの撹拌機(プロペラ式など)の場合、羽根の周辺には強い力がかかりますが、離れた場所では液が動かずデッドスペースが生じやすくなります。高粘度になればなるほど、容器全体の対流が起きにくいため、一度発生したダマに十分なせん断を与えることができず、そのまま残存してしまいます。

撹拌脱泡機がダマ対策に圧倒的に有利な理由

従来の「かき混ぜる」方式では解決できないダマの問題に対し、現在多くの現場で導入されているのが公転・自転方式の撹拌脱泡機です。この装置がなぜ高粘度材料のダマ解消に有効なのか、その理由を解説します。

  • 強力な加速度(G)による強制分散:
    公転による強力な遠心力で材料を容器の底へ押し付けつつ、自転によって強力な渦とせん断力を発生させます。これにより、高粘度液であっても粉体の隙間に液体を強制的に押し込むことが可能です。
  • 羽根レス構造によるコンタミ防止:
    物理的な羽根がないため、ダマが羽根に付着して逃げる(共回りする)ことがありません。容器全体に均一な応力がかかるため、微細なダマまで確実に粉砕できます。
  • 真空機能による空気の排除:
    ダマの原因の一つである「粉体周囲の空気」を真空引きで除去しながら撹拌することで、濡れ性を劇的に向上させます。

ダマを抑制し、製品クオリティを最大化するための選定基準

「どんな撹拌脱泡機でも同じ」ではありません。材料の特性に合わせた最適な条件設定が、歩留まり向上の鍵となります。

最適な回転比率の調整

材料の粘度やダマの頑固さに応じて、公転と自転のスピード比率を細かく調整できる機種を選定することが重要です。単に回転を速くするだけでは摩擦熱が発生し、材料の変質を招く恐れがあるためです。

材料の投入順序とプレミックス

装置の性能を最大限に引き出すためには、ハードウェアだけでなく「レシピ」も重要です。高粘度材料を先に投入するのか、粉体を分割投入するのかといったノウハウが、ダマ発生率をゼロに近づける決め手となります。

まとめ

高粘度材料のダマは、単なる混合不良ではなく、製品の信頼性を揺るがす重大な課題です。手作業や従来の撹拌機で限界を感じている場合は、公転自転式の撹拌脱泡機への切り替え、あるいはプロセス自体の見直しを検討すべきタイミングかもしれません。

当メディアについて

撹拌脱泡機を使用する製造現場や研究・開発の現場では、「量産が難しい」「処理に時間がかかる」「高粘度素材がうまく混ざらない」など、さまざまな課題が生じていることと思います。
当メディアでは、そうした課題解決に貢献する三星工業の「ハイ・ローターシリーズ」の特長と価値を、より多くの方に知っていただくことを目的としています。研究・開発現場の効率化とさらなる技術発展に寄与できれば幸いです。